自閉症スペクトラム障害（ASD）およびその他の広汎性発達障害（PDD）の診断基準（ICD-10）

自閉症スペクトラム障害（ASD）は、神経発達の障害の一種であり、社会的相互作用、コミュニケーション能力、興味・活動の範囲において特徴的な困難を示す疾患です。

ASDの主な特徴

ASDは、以下の特徴によって特定されます。

社会的相互作用の困難

他者とのコミュニケーションや相互関係の理解が難しい。

コミュニケーションの障害

言語や非言語のコミュニケーションにおける困難が見られる。

行動パターンの制約

興味や活動の範囲が狭く、反復行動や強い興味を示すことがある。

ICD-10（国際疾病分類第10版）においては、ASDの診断基準が示されています。

ICD-10におけるASDの診断基準の要点

持続性の社会的相互作用の障害
持続性のコミュニケーションの障害
利益や活動の制約、反復行動の存在
発達初期に症状が現れること
他の心理症状や行動障害によるものではないこと

広汎性発達障害（PDD）は、ASDのスペクトラムに含まれる疾患群の総称であり、ASD以外のPDDも含まれます。

PDDの種類

アスペルガー症候群

比較的軽度で言語能力が比較的高いタイプ。

小児期崩壊性障害（CDD）

通常、2～4歳の間に急速な発達の後に退行が見られる。

不特定の広汎性発達障害（PDD-NOS）

ASDや他のPDDの基準に完全には当てはまらないが、類似の特徴を持つ。

ASDとPDDの治療とサポート

認知行動療法（CBT）や言語療法などの治療プログラム
特別支援教育や行動療法の提供
ソーシャルスキルトレーニングや家族支援プログラムの利用

ASDとその他のPDDは、個々の症状や特性に基づいて診断され、適切な治療とサポートが必要です。症状の早期発見と適切な介入が、個々の生活品質や社会参加を向上させるために重要です。